先日、「Openwork」が出身大学別30歳時点の想定年収を発表し話題になりました。
本日は、30歳時点だけではなく、「各大学の出身者が24歳~35歳までの各年齢でどれぐらいの年収が平均なのか?」について書きたいと思います。
【執筆者】
転職サイト/就活サイトの中の人
某転職サイトと就活サイトの事業部長です。元コンサルタント。人材業界10年目で自分も4回転職。転職市場はブラックボックスが多い事に問題意識を感じ、本サイトにて「忖度なく」知っている事を話します。twitterフォロワーは合計5,000名超。
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- 【グラフ】各大学出身者の24歳~35歳年齢別平均年収
- 東大出身者の平均年収が1,000万円を超えるのは33歳。
- 東大京大早慶一橋東工大出身者は、35歳までに平均年収1,000万円を漏れなく超える
- 地方旧帝大の35歳時点平均年収は911万円、早慶よりも年収はやや低め
- MARCHの35歳時点平均年収は787万円。MARCHで35歳1,000万プレイヤーは少数派
- 全国平均は35歳時点平均年収500万円。MARCH未満は年収1,000万円到達は難しい
- 20代30代で年収1,000万円を転職で実現するには
【グラフ】各大学出身者の24歳~35歳年齢別平均年収
下記は、私が以前運営していたある転職サイトのデータを参考にして、出身大学×年齢ごとに平均年収の推移をまとめたグラフです。なお全国平均は、国税庁「平成30年度民間給与実態統計調査」のデータ(女性も含めるとパートタイムの方の年収が多く混ざってしまうため、男性だけにしています)を用いて、比較しました。
【グラフ】各大学出身者の年齢別平均年収 (単位:万円)
- 24歳~27歳までの年収推移(単位:万円)
|
24歳 |
25歳 |
26歳 |
27歳 |
東京大学 |
525 |
562 |
618 |
673 |
京都大学 |
460 |
494 |
552 |
646 |
一橋大学 |
460 |
532 |
556 |
573 |
東京工業大学 |
450 |
509 |
584 |
604 |
慶應義塾大学 |
491 |
549 |
591 |
613 |
早稲田大学 |
485 |
529 |
548 |
581 |
地方旧帝大 |
462 |
497 |
511 |
527 |
MARCH |
458 |
497 |
498 |
522 |
全国平均(従業員5000人以上) |
399 |
422 |
446 |
469 |
全国平均 |
370 |
382 |
393 |
404 |
- 28歳~31歳まで
|
28歳 |
29歳 |
30歳 |
31歳 |
東京大学 |
696 |
753 |
810 |
905 |
京都大学 |
687 |
719 |
761 |
838 |
一橋大学 |
644 |
720 |
799 |
875 |
東京工業大学 |
652 |
689 |
726 |
830 |
慶應義塾大学 |
649 |
718 |
757 |
859 |
早稲田大学 |
603 |
665 |
697 |
728 |
旧帝大 |
577 |
608 |
659 |
690 |
MARCH |
552 |
571 |
592 |
627 |
全国平均(従業員5000人以上) |
492 |
516 |
539 |
563 |
全国平均 |
415 |
426 |
438 |
449 |
- 32歳~35歳まで
|
32歳 |
33歳 |
34歳 |
35歳 |
東京大学 |
929 |
1033 |
1078 |
1124 |
京都大学 |
903 |
969 |
1014 |
1060 |
一橋大学 |
952 |
994 |
1036 |
1089 |
東京工業大学 |
886 |
943 |
987 |
1011 |
慶應義塾大学 |
917 |
979 |
1000 |
1022 |
早稲田大学 |
807 |
885 |
947 |
1008 |
旧帝大 |
741 |
772 |
832 |
911 |
MARCH |
661 |
705 |
743 |
787 |
全国平均(従業員5000人以上) |
586 |
602 |
618 |
633 |
全国平均 |
460 |
473 |
487 |
500 |
東大の30歳時年収が偶然にもOpenworkのデータと同じ810万円になりました。正しそうな示唆が得られそうです(とはいえ、一橋や京大はOpenworkより少し高めの年収となりました)。
以下データの考察です。
【保存版】25歳年収300万円→30代年収1,300万円に4回の転職でなった中の人が語る「オススメする/オススメしない転職サイト・転職エージェント」~現在の年収・業種別に比較解説~
東大出身者の平均年収が1,000万円を超えるのは33歳。
東大の年収が比較した大学の中で最も高い結果になりました。これは想定通りでしたね。東大出身者の平均年収が1,000万円を超えたのは33歳時点でした。ちなみに35歳時点の平均年収は1124万円でした。東大に入れば将来年収1,000万プレイヤーになることはほぼ確実といえるでしょう。
逆に東大出身者で30代の間に年収1,000万円を超えることができなかった方は、年収においては出遅れ組になってしまうようです。厳しい世界ですね。
東大京大早慶一橋東工大出身者は、35歳までに平均年収1,000万円を漏れなく超える
今回の分析をするにあたっての中の人の主な関心は、「東大以外の大学で、どの大学までが35歳までに平均年収1,000万円を超えるか?」にありました。
就活シーンでは、東大に加え京大・早稲田・慶應・一橋・東工大の6つの大学をまとめて「TOP6大学」と言います。今回の結果では、TOP6大学出身者は無事揃って35歳までに平均年収1,000万円を超えるという結果になりました。
ちなみに東大以外の残り5大学で最も平均年収が高かったのは一橋大学で、最も低かったのは早稲田大学でした。このあたりはOpenworkの結果と一緒ですね。とはいえこの5大学の平均年収の差は僅かでした。
もし女性の方が結婚相手を考えるとしたら、東大・京大・早稲田・慶應・一橋・東工大出身者と結婚すれば、夫はほぼ確実に30代の間に年収1,000万円を超えてくれます(これは婚活中の女性にとって良い情報です)。
逆に言えば、トップ6大学出身者にも関わらず35歳時点で年収1,000万円に行かなかった人は、同じ大学の中でも年収は低めだと認識した方がよいでしょう。
地方旧帝大の35歳時点平均年収は911万円、早慶よりも年収はやや低め
大阪大学・名古屋大学・北海道大学・九州大学・東北大学出身者は、就活シーンでは「地方旧帝大」と呼ばれており、早慶出身者と同等以上に魅力的な人材だと見なされています。この地方旧帝大出身者は35歳時点の平均年収では1,000万円に届かず911万円という結果になりました。
この結果の原因は、年収水準が低い地方企業に就職してしまった人がそこそこいるから、と、就活開始が首都圏に比べ遅いためにトップ6大学の学生よりも就活の結果が良くないから、の2つではないかと中の人としては推察します。首都圏のトップ大学では大学3年の5月から就活を開始する学生が多くいますが、旧帝大ではまだそういう学生は少数派です。大学3年の3月からようやく就活を開始するのが多数派ではないかと思います。
MARCHの35歳時点平均年収は787万円。MARCHで35歳1,000万プレイヤーは少数派
また、早慶に次ぐ首都圏有名難関私大として有名なのがMARCH(明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学)です。MARCH出身者の30歳時点の平均年収は592万円、35歳時点の平均年収は787万円という結果になりました。中々リアリティのある集計結果になりましたね。
MARCHと早慶では35歳時点で平均年収で200万円以上の落差が出る結果となりました。もし大学受験で早慶に落ちてMARCHに受かっていたとしても、一年浪人する価値は十二分にあると言える年収差だと中の人は思います。
MARCHで年収1,000万円を35歳までに得ているとしたら、優秀な部類に入ると考えてよいでしょう。ただMARCHの年収推移の上昇カーブを見ると、MARCHでも40代後半ごろには平均して年収1,000万円に到達しそうです。
全国平均は35歳時点平均年収500万円。MARCH未満は年収1,000万円到達は難しい
今回全国平均と比較するために国税庁「平成30年度民間給与実態統計調査」を用いました。このデータによると従業員5,000名以上の会社とは、いわゆる大企業です。大企業在籍者でも全国平均では30歳時点で平均年収539万円、35歳時点でも平均年収633万円、となり、年収1,000万円には中々届かない、という結果になりました。
なお、全国平均では24歳から70歳まで下記のような年収推移を辿るようです。
大企業在籍者でも全国平均では年収1,000万円に届くのは定年ギリギリということになります。
以前、こちらの記事でも少し解説しましたが、もし年収1,000万円を目指す場合は会社選択や仕事選択がどうしても重要になってきます。MARCH未満で年収1,000万円プレイヤーを目指している方は、就活戦略や転職戦略を普通の方の倍以上に力を入れて下さい。普通に就活や転職をしていては、まず難しいです。
20代30代で年収1,000万円を転職で実現するには
中の人は25歳年収300万円から4回の転職を重ねた結果、30代半ばで年収1,300万円程度を得ることができました。その成功体験を基に語ると、平均年収を上げるポイントは3つあります。
- 「平均年収が高い業界・会社」を選ぶこと
- 「自分が評価されやすい状況にある会社」を選ぶこと
- 年収によって自分に合う転職サービスは違うので、年収が上がる度に付き合う転職サービスを変えること
現在の年収 |
使うべき転職サービス |
---|---|
年収400万以下 |
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年収400~600万 |
〇:リクルートエージェント ×:リクナビNEXTのような「通常の転職サイト」は段々合わなくなる。 |
年収600~800万 |
〇:エージェントはコンサル志望ならコンコード、金融志望なら 〇:この時期から ×:リクルートエージェントのような「総合型転職エージェント」はもう卒業。 |
年収800~1,000万以上 |
〇:同じく「業界特化型転職エージェント」と「ハイクラス層向け転職サイト」を併用すべきだが、年収600~800万の時以上に、 |
こちらの記事で、私が25歳年収300万円から30代半ばで年収1,300万円を得た経験談を解説していますので、宜しければ御覧ください。
他にも、「年収1,000万円/2,000万円狙える会社の条件」や「業界毎の年収の違い」、「業界別年収ランキング」について、過去に下記の記事で分析・考察しました。興味がある方は是非こちらもお読みください。
<年収1,000万円/年収2,000万円を狙える会社の条件について>
<業界・大学毎の年収の違いについて>
<業界別年収ランキング>