こんな記事に今日はてブが集まってますね。
転職回数が「少なすぎて」苦労している知人の話。 | Books&Apps
●転職回数は転職で見られるのか?
大体見ていますね。
ただし、転職回数が少ないことをNG基準にしている企業はほぼないと思います。
むしろ転職回数が多いことをNG基準にしている企業は時々あります。(例:転職2回まで、転職3回まで)転職回数の多さでNG基準を設けてる会社の場合、よっぽど優秀な人材じゃないとこれでアウトです。
だから回数が少ないから不利になる、ということは一概になく、その点自体はむしろプラスポイントだと思います(転職しても一社に長くいそうだねと)
だからこのユーザーの場合、あまり転職しなかった事自体はそういう意味では良かったのではないでしょうか。
●このユーザーはどこで躓いているのか?
個人的には下記の4点ではないかと推察しています。
- 保有スキル・経験が転職市場においてそんなに希少性が高くない
- 40代であり、中堅~管理職のレベルに達してないと、年下の上司の部下になってしまう
- 大手に長年勤めてからの初めての転職であり、カルチャーギャップによる退職リスクが大きい
- 転職動機が前向きではなく後ろ向きな理由である
保有スキル・経験が転職市場においてそんなに希少性が高くない
大前提として、
この方のスキルが転職市場においてレアリティ(希少性)が高ければ、面接でつまづく/年収が下がる/入社時に意欲が懸念される、という事象は起き得ない
はずです。
例えばカルロス・ゴーンが転職する場合、こんな現象は起きるでしょうか?
どこの企業でも通用する、またはヘッドハントしたくなる「優秀な人材」だったら企業はむしろ是非来てほしいので下手に出るはずです。
下手に出ない、ということは転職市場において希少性が低い(他にも似た人が多くいる)と言わざるを得ません。
40代であり、中堅~管理職のレベルに達してないと、年下の上司の部下になってしまう
転職の際には35歳(ベンチャーだと40歳位)に壁があります。
理由は、
- 年齢と序列が逆転すると、指揮系統がしにくい可能性がある
- 年齢が高いほどその方の伸びしろが期待しにくい
からです。
だから40歳の方には入社する際に、自社の同年齢の人と同じ階層に入ることを期待します。
ただ普通に考えると、新参者がその会社において同じ階層の活躍を発揮するには、同じ業界にいるとか、たまたまその人がしてきた経験や専門性を持つ人がその会社に少ない(例:広告を強化したいけど、広告に強い人がいない)などがないと同条件・同階層の入社は難しいかなと思います。
大手に長年勤めてからの初めての転職であり、カルチャーギャップによる退職リスクが大きい
このユーザーの場合、転職回数というより、「大手」で「長年転職したことがない」人だったので、カルチャーギャップへの耐性がほぼ0に近く、初めての転職でウチの会社に本当に定着してくれるのかが気になったのではないでしょうか?
特に転職において大手→ベンチャーであるほどこのケースを懸念するかなと思います。
なぜなら、大手→ベンチャーで転職して、カルチャーギャップが理由で辞めた例は世の中に多いからです。
ただ、この方が入社3~7年目位だったら、あんまり気にしないのではないかなと思います。
カルチャーは長年働くほど染み込んできて、un-learningが困難と考えますが、若ければまあなんとかなるかなと採用側も思うかなと思いそうなので。
転職動機が前向きではなく後ろ向きな理由である
最後にこれも引っかかったんじゃないかな、と思います。
転職の際に後ろ向きな理由は、採用側に嫌われやすいんですよね。
理由は、ネガティブな転職理由を話すと、その会社での目標や頑張りたい理由が見つけられず、定着や活躍するイメージがわかない、という結論に至りやすいからなんですよね(これは人事面接だけでなく、現場面接であっても)
また、ウチの会社も同じ理由で業績悪くなったら辞める(逃げる)んだろ?と思われるというのもあります。いざという時に逃げ腰になる人を採りたくなるかという話です。というわけでこれもマイナスポイントになるかなと思います。
というわけで、
この方の場合、一概に転職回数が転職のネックになっているのではなく、複合的な理由なのだと思います。