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【元戦略コンサルが解説】コンサルタントとは、どんな仕事内容なのか?

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今回はコンサルタントの仕事について正しく理解してほしいと思い、こちらの記事を書きます。

僕は戦略系コンサルティングファームのマネージャーを務めていた『コンサルタント経験者』です。ある程度信頼の持てる情報を提供できると思います。 

 

 

コンサルタント自身が商品(=業務委託契約or顧問契約)でないなら、それはコンサルタントではない

 

そもそも「コンサルタント」と呼ばれるには以下の2条件を満たす必要があります。 

  1. 業務委託契約又は顧問契約である。すなわちコンサルティングサービスという商品を対価に料金をいただいている。
  2. 高い知識や企画スキルなど高度な専門性を提供している。単純業務や汎用性の高い業務の提供ではない(→これでは単なる派遣やアウトソースと変わらない)

就職サイトや転職サイトでよく見かける『コンサルティング営業』という求人は、上記2条件のうちの②しか満たしてないので、コンサルティングではないということになります。

なぜかというと、コンサルティング営業の場合、コンサルティング業務は『無償提供』であり、それ自体ではお金をいただいていないからです。

それにもかかわらずコンサルティング営業が『コンサルティング』だと自称するのは、専門的な知識や企画スキルを営業業務の過程で提供しているという主張から『コンサルティング営業』と自らを呼称しているというわけです。

(もっとも、コンサルティング営業といってもそのレベルは天と地ほどあります。それについては次の記事で解説します。)

 

マッキンゼー・アクセンチュア・船井総研・Speee・・・様々な「コンサルタント」の共通点と違い

 

さて、コンサルタントの仕事も分野によって非常に様々あるので、ここから分解して説明していきます。

コンサルタントの種類やその共通点・違いの代表例をまとめると下記のように整理できます。

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 現実には、ここに挙げている以上に様々な分野の『コンサルタント』が世の中にはいます。ここに挙げている種類はほんの一部です。

どのコンサルタントも専門分野は違えど、『高度な専門性を提供することを対価に料金(フィー)を得ている』ということは変わりません。表を見るとそのことがよく分かると思います。

 

一方で専門分野ごとに、料金や顧客規模、顧客の折衝相手などに大きく違いがあることが分かると思います。

特に料金。マッキンゼーの料金は時給に直すと時給4万円~ととんでもない額になっています(ちなみにトップコンサルタントになると、時給10万円~です)

 

ここからは、コンサルタントの仕事についての理解を深めるために、上記に挙げた

・戦略コンサルタント(マッキンゼー)

・ITコンサルタント(アクセンチュア/IT分野)

・中小企業向け経営コンサルタント(船井総研)

・SEOコンサルタント(Speee)

の違いを例に話していきたいと思います。

 

戦略コンサルタントが人気なのは、様々な意味で『トップクラス』だから

 

最もコンサルタントの中で花形と言われている『戦略コンサルタント』です。

世間一般のコンサルタントのイメージも、この戦略コンサルタントのイメージが強いのではないでしょうか?

 

なぜ戦略コンサルタントの仕事が花形かと言うと、仕事内容の難易度も、企画性の高さも、就職難易度も、報酬も、あらゆる点で最高レベルだから、ですね。 

 

まずテーマは、企業の「全社戦略」や「営業戦略」「業務戦略」などを立案することがテーマですし、顧客は日本を代表する●OYOTAや●ニーみたいな大企業だけです。そして、仕事の中で折衝する顧客の職位はその経営陣や部課長がメインです。

 

その上で戦略策定にあたり知識を切り売りするのではなく、お客様毎に完全オーダーメイドで企画・分析をしていきます。

 

この業務難易度は最高クラスといっていいでしょう。

 

その代わりそのような高難易度の仕事をこなせるだけあって、その人材の希少性は高く、報酬もトップクラスというわけです。だからこそ、この仕事は楽しいしやりがいを感じる人も多いわけですね。

 

そのような理由から、採用倍率も日本最高峰の狭き門ですし、そのような厳しい選考を潜り抜けてこの仕事についた方はみんなに尊敬されます。みんなに激しくチヤホヤされるため、自身の承認欲求を相当に満たすことができるでしょう。

よって、戦略コンサルティングはコンサルタントの仕事の中でも最も人気があります。

 

けれども他の分野のコンサルタントも、その分野において専門的に高い知識がないと商売として成立しません。そのためどの分野も上下はなく全て素晴らしい仕事です。

 

 

ITコンサルタントとは、ITを軸に経営課題を解決するコンサルタント

 

 ITコンサルタントと戦略コンサルタントの違いは、このキャリアインキュベーションの記事をまず見ていただくのが一番わかりやすいと思います。

戦略ファームへ転職した先輩が「ITコンサルとは頭の使い方が全く違う」と言います | ハイクラス・エグゼクティブ人材専門の転職・求人情報ならキャリアインキュベーション

 

ITコンサルと戦略コンサルでは頭の使い方が全く違うと言っていますが.、簡単に説明すると、戦略コンサルタントとITコンサルタントだと、取り組む戦略のレイヤー(階層)が違うというイメージで捉えると良いと思います

 

両方に共通することは、『経営課題を解決するために動くコンサルタント』だということです。

 

戦略コンサルタントの場合だと、戦略においてITを活用することもありますが、前提として、経営課題を解決するときにIT活用は必須ではありません。

 

しかしITコンサルタントの場合だと、経営課題を解決する際に『ITを活用する』という条件が必ず含まれています。また、経営者から依頼があった時点で、ITを使って営業収益がどのくらい上がりそうかある程度の根拠も押さえており、ITを活用した経営改革をすることが決定しています。その上でコンサルタントに発注されるようなことが殆どです。

 

そのため、ITコンサルタントの仕事とは、IT を使うことは決まっているので、その上で決まった方向性を具体的にどのような企画にし、そして実現していくかが主な仕事内容になってきます

 

という説明をすると、単なるシステム屋に見えますが、

 

この場合でもコンサルタントとして企画・分析の結果、本質を突いた企画にしていかないとプロジェクトは成功しないので、企画要素やコンサルティング要素は多分にある仕事なのです。

 

例えば以下のようなイメージです。 

 

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最初はある事業の営業プロセスにおいて、『営業マンの営業をなくし、全てITで自動化してほしい』という案件で経営者に依頼されていた。

 

実行前にコンサルタントが企画・分析していくと次のようなことが分かった

  • 一部の顧客はどう考えても営業マンが全て営業活動する方が費用対効果がよいことが判明した
  • 営業プロセスの中でも、自動化して費用対効果が大きいプロセスは、初回の問い合わせ対応と、受注後の納品フローの2つであることがわかった。この業務から自動化に着手すると、全プロセスの自動化をする場合はリリースに1年半かかるところが4か月で完了することが判明した

そのため、上記の分析結果を盛り込んだ

 

結果、当初1年半後の効果を見込んでいたプロジェクトが、4か月という短期間で特定顧客を除き一部の営業業務を自動化した結果、4か月後に顧客の売上は1.2倍に上昇した。

 

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といったイメージです(実際にはもっと複雑ですが)

 

このようにしてITコンサルタントは経営課題を経営者と共に考え、解決していくのです。 

 

一方で戦略コンサルタントは、ITを使うことを前提とせずに、「そもそも売上をあげるにはどうするのがベストか?」という問いから始まり、「ITのこのような活用がベストか?他に優先すべきこともあるのでは?」と検討していくのが戦略コンサルタントです。

 

だからITを軸に経営戦略を考えたいか、ITに限らず広範に経営戦略に携わりたいか(といっても、経営戦略も様々な分野がありますが)、で考えていくとどちらの仕事がよいのか、はたまたどちらの仕事も自分にあってそうなのか、分かると思います。

 

中小企業向けに経営コンサルティングするなら、マッキンゼーよりも船井総研の方が有能

 

中小企業向けの経営コンサルティングも戦略コンサルティングも、企業の「経営・戦略」を扱うという点では同じです。

しかし中小企業向けの経営コンサルティングは、大企業とは違う専門性が必要になります。

 

主にその理由は下記の2つです

  1. 中小企業の場合は保有する経営資源もブランドも人材レベルも大企業とは違いがありすぎるので、トップ企業にとって定番の戦略が使えないことが多い
  2. 売上規模も大きくないので、現場課題の解決=経営課題の解決に直結するケースが多い

 

そのため、戦略はいわゆる『ランチェスター戦略』といったような、弱者が勝つために特化した戦略。ゲリラ戦略やニッチ顧客をターゲットにした戦略がベースになってきます。

そして、戦略の提言だけでは成果はでず、現場実行=戦闘も一緒に提供しないと成果が出ないケースが多くあります。

現場実行=戦闘、とはスーパーであればPOPの位置はどこがベストで、お客様への声掛けやトークが何がベストか、などを考案し実際にやってみせて定着させる、というイメージです。

 

このような『専門性』が求められてるため、マッキンゼーの戦略コンサルタントでは中小企業のコンサルタントで効果を出すのは難しい、という場面が結構出てくるわけですね

だから中小企業向け経営コンサルタントは、中小企業向けの経営コンサルティングではマッキンゼーよりも高い専門性を持ってるのです。

 

SEOコンサルタントの仕事も、マッキンゼーの社員ではまずできない

 

最後にSEO コンサルタントの事例もそうです。

正直言ってマッキンゼーの戦略コンサルタント はSEO についての知識は0の方が殆どだと思います。ですので、(そんな場面はないと思いますが)SEOコンサルティングをマッキンゼーが頼まれたとしても、その提供価値は限りなく少ないと思います

 

SEOというのは主にgoogleなどの検索からの自社サイトへの流入た問い合わせを増やし、結果自社の制約や売上を向上させるマーケティング手法の中の一つです。

具体的には、

  • 狙った検索キーワードにおける検索順位を上昇させたり
  • 多くの検索キーワードで自社のサイトがヒットするようにし、ちりも積もれば山となるという形で検索流入数を増やしたり

といった戦略を設計し実行していくことになります。

 

この戦略はSEOについて精通していないとまず実行することができません。そこでSEOに詳しいコンサルティング会社に対し、SEO の助言や業務委託をしていただく代わりに料金をお支払いする、というコンサルティングビジネスが成立するわけです。

特にSEO 戦略の知識というのは、特に進歩が早い領域ですし、知識も専門的なものがかなり膨大にある分野です。だからおそらく、マッキンゼーの社員ではSEO戦略はできないという所以です。

 

ちなみに、なぜ「戦略コンサルタントやIT領域の経営コンサルタントの方が価値が高い」というイメージが世の中にあるかというと、あくまで SEO は”マーケティング戦略の一つ”であって、別にもしSEOがうまくいかなかったとしたら、別のマーケティング戦略でうまくいけばいいよね、という話がいつでもあり得るからだと思います。

 

と言っても、「この事業は必ずSEOで勝たないと絶対に成功しないようなビジネスモデルである」というビジネスもweb関連事業では数多くあります。そういう事業においては戦略コンサルタントよりもSEOコンサルタントの方が圧倒的に価値があると言えるでしょう。

 

いずれにせよ SEO コンサルタントは、仮にマッキンゼーの社員でもできない卓越した専門性を持つ、素晴らしいコンサルタントです

 

コンサルタントの仕事に就く前に、どの分野が自分の価値観に合うか真剣に考えないと、不幸になりやすい

 

以上、簡単に説明していきました。

少なくとも私自身も過去に従事していましたが、コンサルティングの仕事はとてもエキサイティングな仕事ですし、どのような分野のコンサルタントもやりがいのある仕事です。

 

とはいえ、コンサルタントといってもその仕事内容や専門分野、提供価値はやや異なります。そして、戦略コンサルタントが人気だからとはいえ、人間の価値観は人により千差万別です。ですから、戦略コンサルタントの仕事がコンサルティングの中で最も面白いと思う人は、本来はほんの一握りなはずです。

 

ですので、自身の価値観と照らし合わせ、本当はどのコンサルタントが自分にとって最もやっていきたい仕事だと思えるか、是非自分自身の心に正直に聞いてみてください。

 

 

 

最後に、コンサルタント志望者を想定して、推奨したいエージェントや転職サイトをニーズ別に少し紹介します。それぞれ特徴が異なりますので、使い分けるとよいです。

 

コンサル転職で中の人がオススメする転職エージェント、オススメしないエージェント

 

戦略ファームや総合ファーム向けに選考対策をしたい場合

その場合は本命でコンコードエグゼクティブグループ、次点でmovin推奨します。

理由は、この2社はコンサルティングファームに特化した選考対策を手厚くしてくれるからです。大体2~3か月は事前対策を事前にしてくれます。

戦略ファームや総合ファームの採用率は1%程度です。最も対策が必要なのがケース面接。ケース面接はこんな問題が出されるため、対策なしで臨むとまず落ちます。また筆記試験対策も必要なところが多くあります。だから、コンサルティングファームを目指すなら、必ずこの2社のどちらかを利用した方がよいと考えます

 

広くコンサルタントを目指したい場合

その場合は、アクシスコンサルティングmovinを推奨します。

コンサルタント求人について特化し、戦略ファーム・総合ファーム以外にも、様々なコンサルタントの求人案件をご紹介してくれるはずです。ただし戦略ファーム・総合ファーム向けの事前対策をするならば、やはりコンコードエグゼクティブグループmovinです。

また、もしコンサルの求人数を手広く集めたい時は、上記2社以外にも、リクルートエージェント(業界1位) DODA(業界2位)JAC Recruitment(業界3位)などの大手エージェントにも相談するのも有効だと思います。なぜなら、この三社は業界最大手なので求人数はいっぱい保有しているからです。ただ、この大手三社はコンサル業界向けの選考対策ノウハウはありませんので、選考対策は期待しない方が良いでしょう。

 

 

おすすめしない転職サイトや転職エージェントは?

コンサルタントを目指すならば、一般的な大手転職サイト(リクナビNEXT、マイナビ転職、en転職など)を利用する事を中の人は推奨しません。なぜなら、コンサルタントは採用ハードルが高い=採用通過率が低いので、普通のファームは転職サイトで公募をしないからです。